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忘れてました、ロゴの事。

あらかじめ元のロゴからトレースした(写し取った)ものをコピーして、貝に貼ります。使用する貝はオリジナルロゴに使われているのと同じ「アワビ貝」のラミネイト。

 

大和マークさんで手に入りますが、貝には無垢貝とラミネイト、2種類あり、ラミネイトとはいってみれば木材の合板と同じです。0.1~0.2mmほどの薄くスライスした貝を何枚も重ねて、エポキシ等の樹脂・接着剤と一緒に機械でプレス成形したものです。メリットは無垢貝に比べて「模様が均一」な事。大きな面積が取れる事。デメリットとしてはイングレイビング(完成後に細かな模様・描写を付ける)ができない事でしょうか。

いっぽう無垢貝はその名のとおり、貝殻の、あの丸みを帯びた形からカット・研磨していって、30mm×30mmなどの寸法に、平坦に削りだしたものです。 メリットは、無垢貝なので模様が様々、均一ではないので良い部分もあれば悪い部分もあるが、でもそれが"味"ということ。デメリットは大きな面積は確保できない。貝の種類にもよるがアバロンだとせいぜい35×35mmかな。MOPだとかなり大きめの面積が確保できる。

10〜15年前は平均して今より5mmくらい大きな貝が入手できたが、年々、質も落ち、1枚の大きさは小さくなり、値段は1.5〜1.7倍くらいに上がっている。

「ラミネイト」というとなんとなく安価なイメージが思い浮かべられるかもしれないが、じつは広く一般的に使用されている。マーチンのD45の指板ポジションマークもラミネイト、たしか90年代くらいまでは無垢貝だったような気がしたが・・・・いつからなのか不明。
無垢かラミネイトかの判別は、双方を見慣れてないとなかなか分からない。一般ユーザーが判別するのは難しいと思います。

 

ジュエリー用の糸ノコで貝をカットしていきます。

  

切り出したあと、ヤスリで微調整する事も→

←この部分だけ塗装を剥がさなかったのは、このインレイ作業のため。
ロゴの位置、掘る範囲が↑↑こうして残しておけば確実です。

 

誤解なきよう説明するが、けっこうアバウトに掘ってます↑↑ これは意図的にこうしています。なぜか?
このあと塗装段階で当然ヘッドの表面も「黒のつぶし色」で塗りつぶします。ロゴはマスキングしないといけません。あとで「ロゴの形どおりのマスキング」を紹介しますが、いくら正確にといってもある程度のズレはできてしまうものです。
ですので、多少ロゴより大きくマスキングをカットしてしまっても大丈夫なように、安全マージンのためこのようにアバウトに掘ってます。

←エポキシ樹脂で埋める。

削り・・・・

完成
  

 


 

シンナーでラリる前に一息いれましょうか

 

先日、私が休憩時間によく観ているギズモードジャパンに面白い記事があがっていた。

「正体はダークマター? はたして“幽霊”は存在するのか、素粒子物理学の視点から考える」というお題。

 

因みに、私自身は幽霊とか超自然的なものは決して信じない人間です。

ただ、そうは言っても念力で物を動かすとか、念写、相手に念じて意思を伝える、など、
世の中にはいっぱい動画や実験などがあふれています。幽霊写真もそうだ。

なので"そういった不可思議な事実"が本当に存在する、という事だけは信じている。

え?矛盾してない?

そう、信じてないのに、不可思議な事実は在る、と信じている。

 

何が言いたいかというと、幽霊や念力などは、まだ私達の科学では証明できないだけであって、いずれ科学がもっと進歩して研究が進めば、こうした不可思議な事も"科学的に証明"できる日が必ず来る、と信じています。

興味がある方はご存じと思うが、スイスにある大型ハドロン衝突型加速器(LHC)でヒッグス粒子が発見されましたよね。ダークマターやなんやら、到底理解できない世界で、基本の"基"すら全く理解不可能な世界ですが、興味だけはある。

おそらく未だ人類が発見できていない未知の素粒子が「幽霊や念力」の正体ではないかと、私は信じてます。
つまり幽霊とは科学現象の一つであると。

 

 

 

でもフォースは存在しますよね、なんたってその昔にあった史実ですからw

 


 

さあ、じゃあ塗装に入りましょう!

この画像はもうサンディングシーラーを何回か吹き終えた状態です。因みにオーナー様のリクエストで下地からのALLラッカーです。

 

サンディングシーラーを吹き、サンドペーパーで表面の凸凹を削り、完璧に平らに(準備OKに)したらマスキングテープを貼ります。

こういったバインディング部分のマスキングはごくわずかバインディング部分に色が付くよう、ずらして貼るのがコツ。境目ピッタリの位置に貼ってしまうと、万一ズレてた時に木目が露出してしまうので。

 

シリアルナンバーはこのように。透明のマスキングテープを使ってます。

エアブラシ用 用品で、低粘着マスキングテープです。

 

ロゴの部分もおなじく。新品の刃を使い、ロゴの部分だけが残るよう(といっても全体の輪郭だが)慎重にカットします。

Gibsonのロゴも同じような仕組みで塗装されてます。勿論ステッカータイプとかイロイロありますけどね。

 

黒のつぶし色で色塗り完成です。マスキングはもう剥がしてある。

 

>>>では塗装の黒色塗り作業動画をどうぞ<<<

 

 


 

 

色吹きが終わり、1〜2日乾燥させたらバインディングに付いた黒色を掻いて、剥がしていきます。


慣れないと難しい作業です。

マスキングも剥がし、バインディングの掻き作業も完了したら、トップコート(クリアラッカー)を吹いていきます。

  

最初の1回目はクリアラッカー塗料に「アンバー色」を混ぜて吹きます、色付けします。↑↑バインディング部分など黄色みがかった感じにしていきます。

GibsonのLPカスタムも同じです。よく「このギターもう何年も経つからバインディングが黄ばんじゃってさ〜」なんて話しを聞きますが、大抵は間違い。黄ばみ具合が多少濃くなっている事はありますが、元々真っ白のバインディングで、塗装工程で黄色く色付けしてあります。
*勿論、はじめから黄色いバインディングが施されている物も多くあります。

 

トップコートを吹き終えてから乾燥さすこと数週間、水研ぎ作業中→

 

水研ぎのあと、バフィング作業でツヤだしをして↓↓完成。指板マスキングは慎重に剥がします。塗装が欠けたりしないようにね。
→→

 

 

組込!

この↑↑板は以前から使用しているものですが、たしかES335の位置を参考に穴開けした記憶が。今回のアイバニーズにもピッタリ位置が合いました。

 

オーナー様の拘りもかなり気合いがはいってまして、RIO GRANDEというブランドのP.Uを搭載します。

  

←かなり分厚く、出力も大きいピックアップです。

 

先に紹介した"板"はこうして使う・・・・

 

P.Uからの配線材をポットへハンダ付けしたら、fホールからポット類を入れていきます。

  

 


 

 

完成!

  

ペグやテイルピース&ブリッジ、また全てのネジ類なども一新です。

  

シリアルナンバーはどういう仕上がりになるかドキドキでしたけど、うまく残せました↓
Made in Japanの部分は消えてしまいましたが、この部分だけ塗装を残して・・云々という方法より、このような方法で仕上げたほうが
はるかに良い、と判断した結果です。

  

 

 

↓リフィニッシュ後             オリジナル↓

  

6ページものボリュームになってしまいましたが、長々と閲覧ありがとうございました。

まだまだ昨年からの大がかりな修理データがタップリあるので、また御期待ください。

 

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