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1ページ目の書き始めは2月頭だったが、なんだかんだで今は3月中旬、だいぶ暖かくなってきましたね。
そろそろ山にも行きたくなってくる季節です。

先日StabilizedWoodでエスカッションを作ってみました。見事な桜色に仕上がりこれからの季節色って感じしません?

  

ご依頼いただいたのは以前の修理記事でもご紹介しているCARVINギターのオーナー様

 


 

一晩おいたらマスキングテープを剥がします。そのあと隙間に低粘性アロンを染みこませていきます↓↓

  
ここで手を抜くと後々塗装最中に苦労する事になります。隙間は染みこまなくなるまで完全に。隙間があるとそこから塗料が染みこんでいき何度吹いても"穴・陥没"ができてしまいます。

 

 

アロンの処置が完了したら完全に乾くまで一晩置いたほうがいいですね。

  

 

研磨作業です。専用のブロック↓↓を当て木に、ひたすら削っていきます。

  


いつもどおり、"気持ちに"気合いが入っているスタート時に、まずはカッタウェイ部分をやっつけます!

 

↓両側のカッタウェイ部分が完了しました↓

いちばん手間がかかるこの部分を終わらせるとちょっと気が楽に・・・

 

製造段階で付いたペーパーキズ部分もどんどん綺麗にしていきます。まあ、黒のつぶし色で仕上げる予定なので多少こういうキズが残ってても問題はありませんが、たとえ見えなくなる部分でも綺麗に仕上げないと、ね。

  

 

そうそう、因みにステュMacではこんな道具も売っている↓↓

これがあれば作業が少し楽になりそうだが、私はまだ持っていない・・・・

あれ? ウソウソ、ワタクシ持ってます!

↓コレコレ↓

  

昔はこんな形だったんです。持ってるのを忘れるくらい、なんで使わなくなったんだろう?・・・・・
結局のところ、側板に対して常に刃を(ルーターを)直角に当てないといけない。それを意識する必要があり、たぶんうまくいかなかったんでしょう。今の#5248はコンパクトになっているので、これならたぶん作業しやすいはず。

道具って実際に使ってみないと(自分にとって)使えるか、使えないか、分かりません。

 

 

側面が終わったらお次はトップ&バックです。


ペーパーがけの労力を少しでも減少さすため、スクレイパーでシャコシャコと大ざっぱに削っておきます。
注意しないといけないのはこのギターは5層の合板。いちばん上の層はわずか0.5mmという極薄なので慎重に削ります。

  

  

 

PRSの時も↓↓使いますが、アクリル板。これを適宜反らせながらペーパーがけすると、こういった端っこの部分には便利です。素人さんでよく見かけるのが(これに限らずなんでも)端っこの部分だけ削りすぎて丸くなったり、みょうに傾斜してしまったりする事。

  
何も考えずに削ると力のかかり具合でどうしても端っこは多く削ってしまうので、そのへんも慣れが必要です。

 

↓↓バインディング/外周・フチ部分を削り終えたら、中央部分を削っていきます。順番はどちらでも好きなように。

綺麗になりました

 

そしてやはりというか、ある程度予測はしていたとおり、↓↓このように合板のひとつ下の層が露出してしまいました。

当然ながらお客様へは「露出するかもよ」と事前にご説明しています。これはいくら慎重に、最低限の削り量で行っても出てしまう時は出てしまいます。こういった事も考慮して作業前のお客様とのご相談段階で「黒のつぶし色」に決定しています。

今回のケースではたまたま外周・フチの部分だけで済みましたが、場合によっては中央付近などが露出する事もあるので、どこが露出するかはやってみないと分かりません。

>>>木地調整の動画です<<<

 

 


 

休憩

3月の連休、お休みをいただき今シーズン最後のスノーカイトへ行ってきました。

幻想的な美ヶ原の日の出

雪原はもう所々で草が出て、シーズンの終わりを告げていた。

 

シーズンラストにもかかわらず講習生で賑わい、引きずられる者、ほんの数メーターだけど滑れるようになった者。
風は初日はいまいちでしたが2日目は朝一から吹き続け、朝ごはん前に日の出練習も。お日様も出てラストを飾る楽しい2日間でした。

  

さて、これから4月から5月にかけてはバックカントリーの季節!
どこへ行けるか今からワクワクです。

先日、オバマ元大統領がカイトボーディングをやっている動画がアップされて、仲間内でもその話題で盛り上がった。
そろそろ日本でもブレイクしないかな〜なんて思ってるんだがどうだろう。

 

 


 

チョイとここで予定変更・・・・

当初は指板(ネック)バインディングは交換しない予定でした。剥がれもなくきっと塗装を剥がしてペーパーがけすれば綺麗になるかな〜と。ところが作業しているうちに、よ〜く観察するとけっこう経年劣化で縮んでもいる、ボディのバインディングが"あんな事に"なってるんだから指板バインディングも遅かれ早かれ同じようになるんだろうな〜・・・・・

という事で急遽予定変更、交換しちゃいました。お見積もりがさらに高額になるという事もあり最初は「指板バインディングはそのままにしましょうか」という理由もありました。

  

指板バインディングの交換作業は以前の修理記事でご紹介した気がする・・・・・あれ?載せた事ありましたっけ。忘れた・・・

ま、まあ、サクッと交換します。

  

 


 

ネック部分も綺麗にサンディング。

ヘッド裏のシリアルNoはどうなったかというと、このように・・・・・・・・・↓↓  

いちおう"凹み"刻印は残っているので一安心。

ここまできたら指板修正です。→
指板修正〜フレット打ちはいちばん最後にやったほうが良い。最初に行うと他の作業時にキズが付いたり、精度も狂う事があるので。

←番手を細かくして仕上げていきます。

 

バインディングの"角っこ"はこのように少しだけ丸みを帯びさせる。。。。↓↓
→→
ブランド、個々の楽器の仕様で、角っこが鋭角になっているものもあるので、あくまでオリジナルと同じなるように。

フレットを打って、フレット端をヤスリで丸くし、ナットも取り付けて→塗装へ

 


 

長かったここまでの作業ももうすぐ完了です。

今回はP.Uやポット類なども一新するので、オリジナルのエスカッションも交換します。

  

オリジナルのエスカッションは↑↑6弦側のマウントスクリューが2本あるタイプ、ヤマハでもよく見かけますよね。今の一般的なエスカッションと比べるとネジ穴の位置も違います。

 

そこで新しいエスカッションのネジ穴に合わせて、ボディ側に開いているネジ穴はいったん埋めて、開け直します。

新しいネジ穴を開ける時は↑↑こうしてマスキングテープを貼り、センター線を参考に、しっかり前後左右の中心に位置させてネジ穴を開けます。だいたいこのへんかな〜って感じで開けると、いざ弦を張った時にP.Uがズレていたりして後悔しますよ。

  

因みに、元のネジ穴は木工パテ↑↑で埋めました。

たぶんこのあたりはリペアマンによって意見が違うところ。「木工パテなんか使いやがって!そんなん邪道だ〜!」なんて輩もいますよ・・・たぶんね。自分も10〜15年前はそうでした。経験を積めば分かります。。。。経験を積んだベテランでも頑なにパテ否定派の人もいます。前にも話したが適材適所です。

←アール付きのエスカッションはこのボディトップアーチに合わなかったので、フラットタイプのエスカッションをトップのアーチに合わせて削りました。

 

ヘッド裏のシリアルの処置。

最終的な色は「黒のつぶし色」です。なので、黒のサインペンであらかじめこのように周りを塗っておきます↓↓
  

もうお分かりでしょうか? そう、このあと塗装の色吹きの段階でマスキングテープを貼り「黒の着色」。マスキングテープを剥がしたあとにエアブラシで"その境目"をボカす感じで黒を吹いてやります。順番はこんな感じ↓

塗装工程の下地(サンディングシーラー)が吹き終わった段階。
→→

→→

さてうまくいったかどうかは最後のページでお披露目・・・・

 

fホールに新聞紙なども詰め、指板もマスキング、いよいよ塗装に入ります。

あ!!

忘れてた!

ヘッド表面のアイバニーズロゴ!

次の最終ページでパッとご紹介します。

 

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