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お次はフレット打ち!

用意する調理器具はコチラ!

←似たような物が2個あるがこれはフレットの脚を加工する道具。

 

こちらはフレット溝に対してフレット脚がキツイとき→

 

←コッチはその逆、フレット脚をギザギザに曲げる事で、溝が少し広がっていたりしても、フレット溝にしっかり食い込むようにできる。慣れれば力加減でフレット脚の幅?厚み?をいい具合に調整できます。

どちらも便利なのだが両者とも、使うとフレットの曲がり具合が変化するので注意が必要。

因みにこれに関しては、このギザギザ加工をした脚を打ち込めばフレット溝が広がってしまうからダメだろ、という意見も見聞きした事があります。ではそのような意見を持つリペアマンさんはどうされているのかといえば、溝を埋めてもう一度溝切りしていました。

確かにその方法ですと手間はかかりますが、溝をこれ以上広げないという事で良いと思います。ただ、経験上、これらギザギザ加工したギターを数年後ふたたびフレット交換したことなどありますが、凹凸の位置をずらすなどすれば全く問題なく、再びフレット打ちができます。おそらく2〜3回はいけるでしょう。私の場合、このギザギザ加工をしてもまだまだユルユルでしっかり食い込まないようになってしまったら「その段階で」フレット溝埋め→再溝切りでいいと思っています。

*誤解を招かないよう、「広げる」と表記するとフレット溝がガバガバになるほどいっきに広がるようなイメージですが、コンマ0.1ミリ単位でのごくわずかな差の話しです。

これはフレットの曲げ具合(アール)を修正する時に使う道具→
掴むところが樹脂でできているのでフレットにキズがつかなくて便利なんです。

 

 

オリジナルのフレット寸法ですが、ノギスで測るとこんな数値。

  

高さは約1.2mm、フレット幅は約2.3mmです。なんですが!

じつはこのノギス、約0.1mmほど狂ってまして、高さ約1.3mm、フレット幅は約2.4mmです。

という事で、使用するフレットは「SBB-214H」というもの。
寸法はオリジナルと全く同じです。

国産のフレットはほぼシェア率99%、(株)三晃製作所というところが製産しています。(と、以前に聞いた事がある・・・)
もう10年以上前だが、大和マークさん等で入手できない(製品としてあるが、取り扱いはしていない物)フレットを、直接この会社へ出向き仕入れた事がある。

 

フレットはストレートのもの、上の写真のように少しカーブしているもの、はたまたループコイルのように何十メーターと長いものなど、様々ですが、どれも同じ。まずは必要な長さぶんにカットします。

  

今回のようにバインディング仕様、フレットの脚をカットしなければいけないケースでは、指板幅より少しだけ長くなるようにキッチリ切ります。フレット脚が指板側面から露出するタイプの場合は、けっこうアバウトにカットしても問題ありません。

 

脚のカット、アール合わせ、順番はどちらでもいいのだが
↓↓このようにフレットをあてがってみて、ピッタリと「アール」が合うようにします。

注意点として、ピッタリ同じアールでもいいのですが、ごくわずかにフレットのアールのほうをきつく調整します。
なぜかというと、フレットの両端というのは一番浮きやすいですし、万一浮いたとしても端が浮くより中央が浮いたほうが目立たない。

前にも話しましたが「フレットが浮く・浮いてきた」というのは間違っている事が多く、実際は"指板面のアールが乾燥などにより経年変化したため、指板面がフレットから離れていった"ということが多い。もちろんフレット自体が抜けて・浮いてくるケースもある。

ここで先ほど紹介したこのペンチが役に立ちます↓↓

 

2002年にも登場したコイツ→
いまだ現役バリバリなんですよ。相変わらずカットしたあと、脚の先端がフニッと曲がってしまう事がよくあるんですがね〜・・・

→→


こんな感じで↑↑フニッと

←なのでフニッとしたのをピシッと真っ直ぐにしてやります。

 


 

そういえば最近のステュMacでは、このフレットタング(脚)カットの治具が大・中・小と3種類になって販売されている。
以前は1種類だけだったんですが。

知ってました?

脚がフニッと曲がる"原因"は前々から分かっていたんですが、やっぱり「大・中・小」と分けましたか。納得。

う〜ん、3つとも欲しいな〜・・・・

でも3つ合計で$194.79でしょ。いま円はいくらだっけ?・・・・109円か。すると日本円で¥21232。

まあ、まだいいや・・・・・

と思い、いまだ買わずズルズルと・・・・

 


 

 

さて、両端をカットしてアールも整えたらいよいよ打ち込みです。

 

↓この治具は前も紹介しましたが、ボール盤とかにセットして使うものに木枠をつけて、上から叩けるようにしたもの。

  
ステュMacで売られてます↑

 

アールゲージをセットし、↓↓これで叩く事で全体に力が加わります。その後に木片でも叩きます↓↓

  

隙間がなく、しっかりと打ち込まれればOK

この段階でもし端に隙間ができていたりして、どうあがいても密着しない場合は「指板修正」でのミスという事になります。正確なアール(曲面)が出ていないから隙間等が出来てしまうという事です。

*打ち込みの段階で、溝に対してフレット脚がきつすぎたり、または緩すぎたりした場合はこのページ上部で紹介した治具・ペンチで微調整してから打ち込みます。

前ページの動画で「執拗なまでに」直線とアールの「確認」を行ってましたが、もしあの段階で「まあ、こんくらいならいいか・・」と妥協したりすると、後々のこうした作業で困る事になります。

 

  
↑はみ出した部分は喰い切りでカット。アコギ、レスポール、スルー・セットネックの場合、↑12Fあたりまでは(モノによりけりだが)←コイツが使えないので、叩いてフレットを打ち込む事になる。勿論、ステュMacのサイトを観ればイロイロなプレス治具がある。リペアマンによってこのあたりのやり方は本当に様々なので自分の一番いいやり方を構築していってほしい。フレット打ちに関しては正しい方法などない、しいて言えば「ピッタリと隙間なく打ち込まれている事」「しっかりフレット溝に食い込んでいる事(きつすぎず、ゆるすぎず)」の2点が行われていればOKだと思う。

 

で、下に支えが無くなる14F,13F,12Fを打つ時にはどうするかというと。
私の場合こうしてます↑↑

このヴァイス、クランプでガッチリと固定し、ボディエンド側に小さな支えをして打ち込みます。


こんなもんで大丈夫なの??ズレたりしないの?
大丈夫なんですよこれが、かなり力を入れても全くズレるような事はありません。

 

1つ打ちこんだら、位置をずらして・・・・

 

それで11Fからは、出ましたコイツ。これで掴めるようになればあとは比較的早い

Jaws Fret Press 様

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コイツが出てきたら、その先はガブッ!といっちゃいますよ

 

写真を撮るのを忘れていたのですでに全てのフレットを打ってあるが・・・・

  

私の場合は2〜3本ずつを同時に進めていきます。人にもよりますが、全てのフレットを(脚のカットやアール合わせなど)準備してから一気に打ち込むなど、様々です。

はみ出した部分は同じくカット


打ち込み作業は終了!

 

それではここまでの一連の作業工程を動画でどうぞ。

 


 

なんだかあと1ページで終わる気がしなくなってきた・・・・まだまだやることがいっぱいあるので休憩しよう

 

先日、八ヶ岳に登ってきました。美濃戸山荘から行者小屋→赤岳へ。

緑が濃く、この季節でしか見られない景色が広がっていました。

 

ところで、登山には必ずカメラを持っていきますが、去年買った一眼レフ「ペンタックス K-S2

 

覚悟はしていたがやっぱりiPhoneとかデジカメとは違いでかい!です。
いちおうこれでも世界最小・最軽量なんですが・・・(*発売当時)

 

ザックの中に入れてしまうと、撮りたい時にサッと取り出すのはまず不可能。ではどうしていたかというと・・・

diagnlというところが出している、その名もニンジャカメラストラップ!

こんなふうにストラップの長さをサッと伸ばす事ができるので街中では非常に便利なんですが・・・・

 

 

登山の場合ザックを背負うので↓こんなふうにフロントへ位置させないとなりません。

最初は良かったんですが、どうも首の付け根にストラップが当たってしまいよろしくない・・・・
また、登山はすぐに汗をかくのでカメラのファインダーや液晶画面が曇りっぱなし。下りの時はストラップを短くしていても勢いで胸に当たり、徐々にうっとおしくなってきます。

 

 

どうにか改善策は・・・・と探していたところ、いいのを見つけた!


COTTON CARRIER  STRAP SHOT EV1

 

動画を観た瞬間コレだ!と思いさっそく購入。"ザックのストラップ"部分に固定するんですが、それだけでは落ちてしまうので「ザックのショルダースタビライザー」部分とかに留めます。

  

私の日帰り用ザックはスタビライザーが備わっていないので、代わりに↑ここへ引っかけました。

 

実際に使ってみた感想は・・・・

Good!!

登りでは装着している事すら忘れるほど。下りでは身体が「前のめり」になる事が多いため、登りより若干カメラが振られます、振られるというより胸に当たる感覚が少し増える感じ?でもたいして気にならない。おそらくもっと大きなザック(60〜70L)であれば、ザックのストラップも太くしっかりしているので、もっと安定するでしょう。

一眼レフを登山に持っていく人は要チェックです!

 

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