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  こんにちわ神谷です。今更ですが、昨年末からフェイスブックページ(Zinギター工房)というものを作り、修理記事にするまでもないようなちょっとした出来事などを投稿していますが、ウェブサイト(ホームページ)で公開するのとは違い、いいね、などのリアクションが見れるというのは嬉しいものですね。
    
  皆様からのご意見・ご感想などの投稿も大歓迎ですので、ご遠慮なくご投稿ください。ただし修理に関する具体的なお問い合わせは今までどおりメールでご相談ください。
  
  ようやく冬の寒さも遠ざかり、最近は春の暖かさで日中はポカポカ、昼食後は眠たくなります。食べたあとにすぐ寝ると牛になるよ、なんてことわざがありますが、最近の研究では逆に健康に良いそうですよ。と言い訳をしながら昼食後にまどろむ私・・・
   
  
  
  今回のお題はTaylor314のブリッジ割れ・ブリッジ製作&ネック角度調整。まずは始めの状態↓
  
  ブリッジは見事 真っ二つに割れています。割れている箇所にもよりますが、このように割れているブリッジを接着して再利用する事はありません。
   
  
   
  ↓赤矢印は例のポッチ。接着時のズレ防止です。ブリッジ割れは何度となく見ているが、やはり一番多いのがこのようにブリッジピン穴に沿って割れること。
   
  
  また、当然ながらここまで綺麗に割れて、かつ位置までずれているので接着も(ネック側の部分は)ほとんど剥がれています。
   
  ジョイント部付近はこんな感じですが、Taylorはボルトジョイントですからこうした隙間ができるのはとくに問題ありません。あとから分かった事ですが、予想どおりボルトがすこし緩んでいました。ボルトジョイントのアコギは(ブリードラブもそうだった)よくボルトが緩んでいる事が多いので、新品購入後2〜3年を目処に一度チェックしたほうがいいかもしれない。
   
  
  どこかのページで書いたかもしれないが、Taylorの場合このようなごくわずかな隙間を木工パテのようなもので埋めて目立たなくしてあります。
  下記画像がそうだが、矢印の部分に注目してほしい。(これは今回のテイラーとは別のテイラー画像)
     
  
    トップ面との境目はスプルースと同じように少し明るめの木工パテを使用しており↑↑
   ←側板との境目は暗い・濃い色合いのパテだ。
←側板との境目は暗い・濃い色合いのパテだ。
   
  
   
  お、早くも雑談だ
  最近観た映画
  「BLACK SEA」
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  ジュード・ロウ主演の潜水艦映画。第二次大戦中に黒海に沈んだナチのUボートに金塊が眠っているという設定。ジュード・ロウと言えば私の印象に残るのは「A.I.」や「ガタカ」です。
   
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  ありがちな設定なのであまり期待せずに観たが、コレ当たり!かなり楽しめた。
    もともとダイビングも趣味なので「潜水」「水深90M」とかいう設定だけでも個人的に興味があるからかもしれない。
   
   
  ところで観ていてすごく気になった俳優がいた。ベン・メンデルソーン(Ben Mendelsohn)という人。
    最初「あれ?ゲイリー・オールドマン??」って思っちゃいました。似てません?この二人↓↓
  ベン→ 
 
   
   
  ←ゲイリー
←ゲイリー
  
  「レオン」や「エアフォースワン」のゲイリーもそうでしたが、このベン・メンデルソーンという人も「いっちゃってる役」がよく似合う。
    あんまり意識した事がないので今後この人が出演している映画は要チェックしようと思います。
    この手のキャラ・・・好き。
   
  
   
  続き・・・
  ネックブロックはこのように「ラベル」が貼られており、↓↓ 普段はボルト部分が見えないようになっています。
   
  
    どちらにせよ後でネックのジョイント角度も調整しなければいけないので「ラベル」は慎重に剥がします。↑↑
    *修理前のチェック段階でこのギターのブリッジサドルはすでに余裕がなく、ネックジョイント角度調整が必要だと分かっていました。 
  因みに、現在のテイラーはこの仕様ですが、一昔前(といっても初期かな??)は指板部分が接着されている仕様の時もありました。
   
  さてさて、はじめはブリッジを剥がす作業だが、赤丸の範囲だけしか接着されてなく、前側(サウンドホール寄り)は完全に剥がれていたので通常の剥がし作業よりかは比較的簡単に剥がれました。
  
   
  
    剥がした痕は非常に綺麗でした(見た目には)。以前の記事でもお話ししたようにテイラーも約2mmほどブリッジより小さい範囲の塗装を剥がして接着してあります。
  続いて新しいブリッジの製作に入ります。
   
  
    完全に割れているので元々の形を知るべく(採寸するべく)アロンにて仮接着しました。↑↑
   
   オリジナルの厚みを測り、エボニー材をその厚みに整えます。
オリジナルの厚みを測り、エボニー材をその厚みに整えます。
    その後、↑↑のようにオリジナルブリッジをもとにトレースして正確に形を写し取ります。
  
   
   
  今回は塗装のダメージはなく大きめのブリッジを製作する必要はありません。
  いきなりですが、すでに完成の画像・・・↓
    
   
   
   
  今回はこのブリッジ製作にけっこう時間がかかってしまった。というのも・・・・
  マーチンやGibsonのブリッジの形はこんなかたちですよね・・・・・・・・→
   
   
  ところがテイラーのブリッジはこのように↓↓直線ではなく傾斜・角度もついているので、普段使っている手順では製作できないのだ。
   
  
  「A」の面は通常なら(マーチンタイプなら)ベルトサンダー(の平面部分で)で一気に削り整える事が出来るが、そうはいかない。
  「B」部分の成形方法は以前書いた記事どおり(コチラを参照)だが、これも工夫してやらないとテイラーの形にはできない。
   
   
   
  
    あとは↑↑この画像から分かるとおり、マーチンやGibsonと比べ、ここのアール・曲面具合がかなり浅いんですね。 
  とまあ、こんな具合でいろいろと創意工夫が必要で、時間はかかりましたが楽しめました。
   
   
  新しいブリッジが完成したら接着面の塗装剥がしです。
   ←メーカーの製作工程ではブリッジの大きさに対してひとまわり小さく塗装を剥がして接着してあります。再接着するまえにブリッジと全く同じ大きさ範囲の塗装を剥がします。
←メーカーの製作工程ではブリッジの大きさに対してひとまわり小さく塗装を剥がして接着してあります。再接着するまえにブリッジと全く同じ大きさ範囲の塗装を剥がします。
   
   ←接着面はもとの接着剤の残りカスなどが付着しているので研磨等して綺麗に慣らしますが、このギターの場合↑↑ブリッジピンを中心に赤丸範囲がすこし出っ張って(盛り上がって)おり、この範囲を多く削る事になりました。
←接着面はもとの接着剤の残りカスなどが付着しているので研磨等して綺麗に慣らしますが、このギターの場合↑↑ブリッジピンを中心に赤丸範囲がすこし出っ張って(盛り上がって)おり、この範囲を多く削る事になりました。
   
  接着
    
    マーチン等普段から手慣れた形とは少し違うので、クランプの際も適宜、全体が圧着されるように当て木などを工夫します。
   
   
  
   完成です。
完成です。
  ひとまずこれでブリッジの修理は完成です。
  前述したが、修理前のチェック段階でこのギターのブリッジサドルはすでに余裕がなく、ネックジョイント角度調整が必要だと分かっていたので、次ページではネックジョイント角度を調整・修正していきます。ボルトジョイントシステムの良いところは比較的簡単にジョイント角を変更できる事ですね!
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