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さて最後のページです。

無事にバインディングも接着し終えたので指板面の接着剤や、ネック材との段差・はみ出た部分などをペーパーで綺麗に整えていきます。

 

あれ?いま見たら上の画像右、カッタウェイの部分の塗装が剥がしてある・・・ついでだからここも↑補修したんだっけかな?忘れました。

 

このようにバインディング部を中心にペーパーで形を成形します。

 

最終的にネック裏全体をペーパーで整えます。これから塗装をするにあたり、手垢・汚れ落とし、細かなペーパーキズを付ける事で塗装のノリをよくする事が目的。
 

 

指板材の「欠け」をアロンで埋め補修しましたが、それら接着剤やバインディングなどを整える・綺麗にした後、フレットを打つために当然ながら「指板修正」アール出しもしっかり行います。
*ちなみにこのギター、修理明細を見返してみたらネックアイロンやその他諸々、いろいろな修理も行ってました。

 
バキバキに割れていた指板面はこのように綺麗に・・・・

←新しいフレットを打っていきます。因みにこれはJescarフレット。
ジムダンに比べジェスカーは非常に精度よく綺麗に作られてます。近年のジムダンはフレット表面にキズがあったりと、品質があまり良くないですね〜。

 


 

突然ですが、現在の工房が完成してから今年7月で10年!

入口のデザインをリニューアルしました。


いやはや月日が経つのは早いものです。すべてのお客様へ、そして関係各店・各社様へ、本当に心から感謝しています。

 

 

きっかけは窓ガラスに貼る熱反射フィルム

入口は北側にありますが、なんせ西日がすごい!この時期午後は常にロールカーテンで遮らないと暑くてたまりません。
で、ようやく重い腰を上げてガラスフィルムをリサーチ。初めはフィルム貼るだけでいいや、と思ってたのだが、どうせならと一念発起。

ガラスフィルムってすごいですね。施工後に手をかざしてみると日射しのジリジリ感が大幅に減少。感覚的に20%くらいになったみたい。10年間ずっと悩まされ続けた(10年も悩むなよって(笑))西日問題が解決。

ところで・・・
入口のカッティングシートをリニューアル後、すでに3回も道行く人に「ほ〜、ここは何をやってる所?へ〜、ギターの修理ですか〜」「今まで気づきませんでした〜」と。。。。。

 

もう10年前からなんだけど、そんなに目立たなかった?(-_-)

 


 

ナット製作・取付(弦溝はまだ切らない)、フレットを打ち、端の部分はすでに丸く処理して成形してから塗装に入る。

塗装!
 

マスキングをおろそかにする者はマスキングに泣きます。たかがマスキング、されどマスキング。

 

はじめにシーラーを吹き、サンディングシーラーを数回吹いて表面を#360で整えてから(バインディング等必要な箇所にマスキングして)着色・黒吹きします。

 

バインディングの色が「黄色・アンバー」になっているのに気づきました? 元々のバインディング(ボディやヘッド部)の色合いと同じにするべくアンバー色にします。

元々のバインディング色は「白」。上層のクリアコート(トップコート)を吹く段階で少しアンバー色にしてやる事で仕上がりは黄色くなる。勿論、初めからバインディング自体の色が「アイボリー」などの場合もあります。

よく巷では「バインディングが変色しちゃってさ〜」とか言いますけどじつはアレ、当の本人であるバインディング君は変色しておらず、クリアコートのアンバー色が経年変化によって色濃く・焼けている事がほとんど。

 

トップコートも塗り終えて約2週間ほど乾燥させます。

 

乾燥後、水研ぎ&バフィングして完成です。

 


 

完成です。

ボディトップの塗装面にプツプツが見られますがこれは初めからあったもの。あしからず・・・・

 

このような上塗り塗装、修理を行うと場合によってシリアルNo.は埋もれて見えなくなります。ご了承いただいたうえで作業します。
今回の場合、完成段階ではほとんど見えなくなっています。が、おそらく塗装の「引け」とともに1〜2年経てば光に照らすとうっすらと判明できるようになっているかもしれません。

 

 

せっかくなのでビフォー・アフターで

左↓↓Before                   右↓↓After

 

 

 

フレットの有効幅が広がったのは見た目でも明らかですね。これで1&6弦でイングウェイのごとくハデにビブラートしても弦落ちしない?!

 

 

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