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前ページではギターのレントゲン写真なんぞをご紹介しましたがお楽しみいただけましたか?

私がいまお楽しみいただいているのは「プリズンブレイク」のファイナルシーズン。今年の5月ごろからレンタルされてますが、ようやく10巻まで出たので「プリズンブレイク 30分で追いつける 早わかりDVD」なんてのも借りて、シーズン1~3の物語を思い出し、気持ちも高めてからいざファイナルを・・・!

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プリズン・ブレイクファンの方、この中で誰が一番好きですか?・・・私は↑↑ロバート・ネッパー演じる"T-Bag"ですね。
初めは思いっきりムカつくやつだなーと思って観てましたが回を重ねるごとに不思議と、妙に、好きになってました。このゴキブリ並の生命力と執着心、ネットリ感は観る者を惹きつけます。
この人「地球が静止する日」にも爆撃を指示する大佐役で出てますね~。しかもちょっとキレぎみに指示する演技とか、プリズンのイメージが強いからやっぱりT-Bag!観ていてニヤニヤしちゃいました。


 


 

さ、数日乾かしたところで次の作業に・・・・。

とその前に、ネックを外した次の日、見てみると・・・・なーんとヒールがパックリ!センター合わせのネックなので接着が弱っていた事もあり蒸気の熱で剥がれました。以前に紹介したchakiもヒール部が段々接着になっていて剥がれ・分割してしまいましたが今回もですね。。。。

 

(数日後に)この手の予測不可能なケースはよくある事なので慌てず騒がずしっかりとクランプで接着。

しっかり接着されました。

このままだと将来的に多少不安なのでより確実にするため一工夫します。余計なパテやキワ(際)をノミで綺麗に落とし・・・

↓A部分「面」も綺麗に平面出しします。この部分に割れ止め(抑制)ともいえる木材を接着します。補強用として接着する木材の「木目方向」は「割れる時の方向」をよく考えて。
←接着

ついでと言ってはなんですが、このB面にも木材を接着します。同じく凸凹の面を綺麗に平面出ししてから接着です。接着する木材が厚すぎると再度ネック接着ジョイントする時に収まらず、また将来的に再びネックを外すような時にジョイント部の「空間」が十分確保できるよう厚みをしっかりと考慮・確認したうえで接着します。

 

B面は木材の「木口」面です。木口面は導管の影響で接着力が弱くなりがちです。通常より時間をかけ十分に導管へ接着剤がなじんだところで接着してやります。急ぐと一見接着されたように見えますが「接着力」はかなり落ちます。


接着後、はみ出た部分を成形。これで再びネックが割れるような事はないでしょう。

 

合間をみてボディのトップ割れやブレイシングの剥がれなどの不具合も修理していきます。

フロントP.Uの部分に大きな割れがあるので修復。このような大きな割れ、小さく微妙な割れであってもクランプで圧着・塞ぐ事ができないケースでは、同じ木材で「割れ」の大きさに合わせはめ込み・接着します。このchakiは年代も古いので手持ちの端材でいちばん古そうなやつを使いました。73年製D28のブレイシングに使われていたスプルース材です。

 

このスプルース材を割れにピッタリ合うように成形してから接着。

接着剤が乾いたら表&裏側ともに出っぱりを削り軽くペーパーがけして木地面と均一にして終了。

←こちらはトップ裏側のブレイシングの接着風景。かなり大幅に剥がれていました。

 


 

お次にくる、ジョイント部の成形は一番神経をつかいますし時間もかかります。ここでチョット一息つきましょう。

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プリズンはすでに最終巻まで出揃いそうな気配なので借りましたが、「HEROES」は全巻にはまだ待たされそう・・・。となると次は「24」かな。24のシーズン7もそろそろ全巻揃いそうですね。全巻揃ったら一気に観るタイプなので。。。

しかし、海外ドラマにはまると借りたい・観てみたいものはどんどん出てくるし、手を出してないものの興味をそそられるやつは「LOST」「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」「CSI」のNYとマイアミ、あとはBURN NOTICEやら・・・・時間がいくらあっても足りません。

 


 

さていよいよ山場です。こまかな所も修復していきます。バインディングの剥がれや微妙な板剥がれです。


一番重要なC面も綺麗に成形します。

<重要なポイント>
ボディ側の不具合(ブレイシング剥がれや割れなど)は「必ず」ネックジョイントの調整に入る前に直しておきます。なぜかと言いますと、剥がれたブレイシングを接着するとトップ面が微妙に変化します(しない場合もありますが)。ジョイントの調整は現在付いているブリッジに対して適正な弦高・余裕をもって上げ下げできるように「角度調整」をします。
このような事からブレイシング接着・修理を後に行うとせっかく合わせたジョイント角度・調整が無駄になる事があるからです。


ノミを使って汚れを綺麗に落とし成形したところで定規を当てて確認してます。 ↑両側ともこれだけ隙間があるので・・・

 

←薄板を接着します。

ノミとペーパーを使って平面を出すと同時にボディ側ジョイント部分に何回も出し入れして密着具合や隙間ができないか確認します(この作業の前にボディ側ジョイント部の成形はやっておきます)
最終的にネックとボディ、ジョイント部がピッタリとはまればOKです。緩すぎてもきつすぎてもダメです。いい加減・良い加減が大切です。
もう一つ、トップ面にブリッジを置いて弦高がベストの高さになるかどうか、同時にネック角度調整も行わないとなりません。

 

最後はネックとボディを再接着、その後にジョイント部周辺を部分塗装して仕上げます。

 


 

完成です。弦高の確認のため弦が数本張ってあります。このギターは他のお店様からの依頼なので最終的なパーツ組込やセットアップは当方では行いませんでした。

オールドなので再塗装もあまりコッテリ&しっかりとは塗らず、ツルツル・ピカピカにならないよう注意しました。ある程度アバウトにいい加減?に塗装を仕上げるのがコツです(笑) 塗装の調合もミソですね。

chaki P-5のネックリセット修理工程、お楽しみいただけましたでしょうか。
私はこれからプリズン・ブレイクをお楽しみいただきます。では!

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