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本日は9月9日、残暑で昼間はまだまだ暑い日が続いてますが、この修理記事を書き上げるのに約1ヶ月半にも渡ってチビチビと書いてきました。

というのも毎年9月に地元で開催される「金沢文庫芸術祭」というのがあるんですが、数年前から実行委員として関わっており、今年はフード出店管理を担当。前任者からほとんど引き継ぎ無く、まったくのド素人である私がゼロからやり始めたので、区役所の食品衛生課や消防へ何度も出向き、営業許可証やPL保険だなんだかんだで、この1〜2ヶ月はモ〜レツに大変でした。

おかげで食中毒やお店の営業、催事に関する知識をかなり覚えました。あと10年後くらいに「和食堂Zin」とか開業しようかな(笑)

9月18日(日曜)お時間ある方はぜひ遊びにいらして下さい。
当方も友人と共同でブース出展しStabilizedWoodを販売します。

 

さあ、これで最後のページ。

  

無事に指板が接着できたら、スクレイパーなどではみ出した接着剤を綺麗に。同時に塗装厚ぶん段差ができるので滑らかに繋がるように整えます。

#150で指板側面とネック握り部分が違和感なく繋がるようにペーパーがけ↓↓

  

  

目で確かめるのではなく、必ず何度も何度も「手」で触り、段差や凸凹がないか確かめます。↑

段差などを無くし、成形が完了したら、全体は番手をあげて#240でペーパーがけします。

 

木工作業のほうは、だいぶ完成に近づいてきました。

  

ここで指板修正を行います。削った痕を見てみるとこれだけムラがあるんです↑もし指板面を整えずにこのままフレットを打とうものなら結果はどうなるか想像がつきますよね?
詳細は先日アップした「Gibson Slash Signature Model フレット交換作業」をご参照ください。

 

お次はネックの根元、ボディにつながる部分です。この部分は#1500(もしくは#1200)の水研ぎペーパーでツヤが無くなるまで綺麗に研磨します。矢印の部分を境界線にマスキングをして塗装するからです。

  

トップ面側も同じように#1500で研磨します↓ ここも矢印部分を境界線にマスキングします。

部分塗装をする場合、どうしても「旧塗装面」と「新塗装面」の境目がうっすらと分かってしまいます。ですので、ボディ形状や色の違う部分でうまく「区切る」事で、多少なりとも境目を分かりにくくできます。

因みにポリ塗装よりラッカー塗装のほうが境目は目立ちにくいですね(ラッカーの上にラッカーを重ねる場合)。なぜなら、ポリ塗装はいったん乾いた塗面に上塗りしても密着はしますが融合はしません。ラッカーの場合は上塗りすると時間とともに下の層(旧ラッカー)と溶け合って融合するからです。

 

フレット打ち!

←溝も綺麗にして準備万端。新しいフレットを打ちましょう。
使用するフレットはワイドオーバルタイプ。いわゆる中サイズのフレットですね。このベースの場合、フレット脚は側面から露出している仕様なので同じように仕上げます。

  

 

指板を剥がす前に開けた「穴」はどうなるかというと、フレットの幅で覆い隠されるのでとくに何もする事はありません↓

→→

 

側面のフレット溝はエポキシで埋めます↓ 爪楊枝で意図的に奥までグリグリしないとけっこう浸透してしまうんですよね。たま〜に翌日見たら奥までエポキシが吸い込まれてた、なんて事があります。

  

 


一晩置いて、エポキシが固まったらフレットの出っ張りをヤスリで削ります

 

ナット製作です。

  
8割かた形を整えて接着。弦溝は塗装完成後、最後に切ります。

 

  

マスキングも施して、完璧に準備できたら塗装工程へ突入です! マスキングテープはサンディングシーラー層(下層)とトップコート層(上層)とで位置を変えたりするので貼り方も工夫しています。

 


休憩

先日、ひょんな事から友人達と映画を観にいった。久しぶりのロードショーだ。

「ペット」(原題 : The Secret Life of Pets)

 

前にCMで流れていたのを観て、見事ツボにはまってしまったシーンがある・・・・・
コレだ・・・

毎朝、ご主人様が仕事へ出かけるのを見送る、お嬢様ワンコ。お部屋には優雅なクラシックが・・・

が、出かけたとたん選曲を変え・・・・

ヘヴィーメタル いいですね〜!しかも音楽のチョイスが素晴らしい!そうきたかー!と。

私が大好きなバンドの一つ「システム・オブ・ア・ダウン」ですよ。

 

 

 


 

ペイントしましょう!
さすがに塗装しながらヘッドバンキングするとミスるので、ここはミュージックOFF


↑こちらは着色をしているところですね。濃い茶色(つぶし)を塗り、ボカシて仕上げます。

ベースはなが〜いので取り回しには気を配ります→

  

クリア(トップコート)を吹き終わり、乾燥後、水研ぎ&バフィング

 

そして塗装工程は完成↓ 指板面にまだマスキングがありますが、ツヤ出しまで全て終えてからマスキングを剥がします。

  

ネック裏は中央部分がわずかにシースルーになるように仕上げてあります↑↑

  

指板面のマスキングテープを剥がす時はかなり慎重に行います。剥がす前にスクレイパー等で塗装を掻きおとし↑塗装に埋もれているマスキングをできるだけ露出させます(端っこだけね)。いい加減にやると痛いしっぺ返しをくらいますよ。

剥がした瞬間「あっ!・・・・」って。

 


 

完成!

  

フレットの擦り合わせ&成形、ナットの溝切り、弦張り、パーツの組込、セットアップなどを行いようやく完成しました。

  

新・旧の塗装境目もほとんど目立たず、勿論ネックは真っ直ぐになり非常に低い弦高でもストレスなく弾ける楽器へと生まれ変わりました。

B.C. Richイーグルベースのトラスロッド交換、お楽しみいただけましたか?

 

さて、来たる9月17日〜19日は怒濤の日々。金沢文庫芸術祭の「準備→イベント当日→片付け」と3日間はきっと死んでいるでしょう。


ボランティアをしてくれる人がいたら大歓迎です!年々「若者パワー」が減少し、このままだと規模を縮小せざるを得ない状況になりつつもあります。 興味があればぜひ私のところでもいいですから直接お電話くださいね〜。

では、また!

 

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