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(大昔の笑える出来事。何年も前の話です。)
この物語はある古い楽器から取り外したジャックくんの風変わりな性格を綴ったものです。では、では、始まり始まり。。。。。。。。


とあるギターから外したふつ~のモノラルジャックくん。なぜ彼は裸にされてしまったのか!?
そう、それはある楽器オーナーさんが「すいませーん、これチョット見てもらえますか~」と来店したのが発端だった。彼が言うには少し前からギターの音が突然消えたり、出たりを繰り返した日々が続き、最近になって突然うんともすんとも言わなくなってしまったと言う。

電気の事に多少詳しい方なら以後の内容がお分かりになると思うが、ギターの音が出なくなる原因にはパターンがある。まず一つ目は「ブーン」とか「ジー」というけっこう大きなノイズがして、ノイズの中に微かにではあるが、弦の音が聴き取れたり(とれなかったり)する場合、二つ目はアンプにつないでもまったくシーン(シーというアンプ側の電子ノイズはする)としてノイズのかけらも聞こえない時、この2つのパターンが意味する事はしごく簡単、回路のどっかでアースがういてるか、アースとホットがショートしてるかですね。

 

ちなみに私が使用しているテスターはサンワのSP-18D

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まず疑うべきはジャックなのだが、お店(当時すみや上永谷店に勤めていた)に持ち込まれる楽器の6~7割方はジャックかポット(ヴォリュームつまみ等の部品)のネジがゆるんでいます。みなさんもよく思い当たる事があると思いますが、「あれ~~このノブ、なんだかまわり終わんないぞ~~グルグルグ~ル」っていうことありませんか?こんな時ギターの中では「ブチッブチッ」という気持ちいい音がしていそうですね~。うーん、すぐ余計な話に。。。物語に戻りましょう。

 

このギターの場合、二つ目パターンの「シーン」でしたから、「あっ、ショートだな」とすぐ見当はつきました。まず始めにジャック部分が断線、もしくはショートしていないかを確認してみました。ところが。。。ジャック部分はまったく正常。

お次はキャビティ内、主にハンダ箇所や、ポットの「線を繋ぐ端子部」の下がキャビティ内に塗られた「導電塗料」(乾くと電気を通 す性質がある塗料)と接触していないか等々、まず目をさらのようにして目視で確認していきました。

結局、この楽器の場合「うーん、目視じゃ分からないなー」となり、次に疑わしき場所に目星をつけ、ひとつひとつハンダをはずし、テスターでチェックするという作業をする事に。。。(やみくもに線を外して、ではなく、回路を理解していればチェックの順番があります。が面倒なので省略!)

 

しかーし!いつまでたっても、普段のように「ビンゴー!!」ということがなく、時はたんたんと過ぎていくのでした。結局、最後は、「しゃあない、ぜーんぶ外してチェックしてみるかー」となり(1Vo,1To,5WAY-SWだったから、えがった。。。)きたない配線を(そんな事言ってはいけませんね。。。でも汚かったの。ねん)全て外し終わりました。

 

 

 

さあ、これでまいったか「ワハハハ」となるはずがそうはならないから困った、焦った、煮詰まった(当時はね)。パーツをひとつひとつ調べてもま~だダメ。グッタリと力が抜けた時、ふとなにげなくジャック君の足に(図)直接テスターをつなぎ(線が付いててもいいけど)「おまえはお利口さんだよなー」などとつぶやきながら計ってみると。。。うん、やっぱり君はお利口さんだ。と最初は思った。


こんな感じね。

 

ところがー!!!さらになにげなく単なる「ジャック」を差し込むと。。。。。。。。。。。。。。。。!!
「君だけは信じてたのにーーー 」うっ、うっ、と泣きながら。。。。。。。。。
なんと、ジャック自体が原因だったんですね。

 

このジャック君、見た目の生真面目さとはうらはらに、まるで二重人格のような性格の持ち主だったのです。そもそもジャックはプラスとマイナスの電気信号を(けっして)接触しないように、次に差し込まれるシールドプラグに引き渡す役目ですよね。ところがこのジャック君の場合、なにも差し込まれていない時はまったく問題ない「優等生」、でもジャックを差し込むと。。。。。そうです、御丁寧にプラスとマイナスをショートさせてくれるのです!

この一件以来、簡単なパーツほどよく注意するようになりました。「灯台もと暗し」とはこの事?ですかね~。
END

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