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え~、すんなり進みます。前ページでとりあえずは接着できました。が、このままでは時がたつにつれ剥がれてしまうため、補強材を埋めていきます。(しっかりと圧着すればこの状態でもかなり持ちこたえる事ができます。実際に何ヶ月、何年も試した事はありませんが・・・)

 

補強材を埋める為にまずは穴を空けなければいけませんが、ネックヘッド折れ専用穴あけ治具を使用します。(たいそうな名前ですが単なる斜め板ですね・・・)このような治具はどこかで売っているわけではないので、自分が「穴あけ」の時に使う道具(トリマー・ルータ)に合わせて自作します。

掘る部分が見やすいように表面はアクリル板で作ってあります。

 

ここで、なにも考えず掘ってはいけません。まずはじっくりと頭の中で「ヒューマンアナログ3Dシミュレーション」アプリをたちあげ、どこに穴をあければいちばん良いか?考えます。(ちなみに私の頭脳は68Kマック以下でしょう(笑))左の図をみてください。今回は、断面図を書くとだいたいこんな具合で割れ目があります。点線部のようにちょうど割れ目を境に、左右の対称面積が同じようになるよう穴をあけます。ネックのウラだとトラスロッド調整穴などが分かりにくいので、始めにサインペンなどで(寸法・位 置は厳密に)書いてしまいます。こうすれば穴をあける位置を正確かつ安全な場所に設定できますね。

 

では、治具をセットし・・・掘っていきます。

 

私はトリマーを使います。使用する刃(穴の幅)は6ミリか8ミリです。トリマーには「ガイド」という物があるのですが、アクリル板上の穴はその「ガイド」にピッタリ(まったく横振れしないよう) と合うように空けてあります。あとは掘りたい長さのところでストッパーなどを両面 テープでアクリル板に固定すれば正確な「長さ・幅」の穴が掘れる次第です。

 

縦長写真になりましたが・・・こんな感じでトリマーを下(ネック側)から上(ヘッド先端部側)へと動かし掘ります。始めのうちは刃を慎重に下ろしていかないと木材が“チップ”(木目に沿って繊維が破断すること)する事があるので気をつけます。

 

同じように左右とも堀り終えた図です。トリマーやルーターを使う作業は何度やっても緊張しますね。万全の注意をして頭の中で何回もリプレイしてから行うのですが所詮は人間、ミスをするときもある・・・。(もちろんこれはミスしてませんよ・・・)

こうして考えると「医者」(とくに外科医)という職業には心から感服いたします。こんな事を書くと怒られそうですが、ある意味「楽器を直す」という事は「手術」をするような感じです(広い意味で)。オーナーが大切にしている1本ともあれば絶対にミスはできません。(もちろん修理する楽器すべてそうですが・・・) 対象となるものが「人間」ともなれば、その責任たるや考えただけでも手が震えてしまいます。最近、病院での人為的ミスや事故などがマスコミに多くとりあげられるが、よく聞く話は「働きすぎ・休みがとれない」など。私達の命に関わることなのだから、医者・看護婦という職業に対して行政がもっと配慮してほしいですよね。

と、偉そうに書いたがホントは何も分かっちゃいない・・・TVの情報だけ・・・。

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