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「フレット打ち」です。たぶんこのページで終わるでしょう。

フレットはイロイロな形状のものがあるのでとくにオーナーさんの指定がなければ元の付いていたフレットと同じ大きさの物を打ちます。代表的なのはジムダンロップのフレットが結構有名ですよね。大きさ種類なども豊富にあります。ただし売れ筋・よく使われるサイズ以外はメーカー(問屋さん)で品切れしてる事が多いので品切れの時は手に入れるのに2~3ヶ月待ちになります。(ようは輸入待ちって事ですな)

次にフェンダージャパン(神田商会さん)のパーツとして(たしか)3種類でてます。ノーマル、ワイド、ジャンボだったかな?。あとはギブソン、フェンダーUSA(山野楽器さん)のも出てます。フェンダーUSAのカタログ(フロントライン)の一番後ろに載ってます。ギブソンも同じくプライスリスト(カタログにはギターしかでてませんよ)に載ってます。私の場合は個人でやっていますし、長年お店の店員でもあるのでワイヤー単位 (フレット線がぐるぐる束になった物)では所有していません。ちなみに「このモデルに使用されているフレットが欲しい」からといって、問屋さんに頼んでも、なかなか素直には出してくれません(ほとんどは、商品としてありません)。それはなぜか?!

 


 

すこし業界のウラ話になってきた・・・(ヤバイかな)。たとえば **貿易さんはオベイションの総輸入代理店です。という事は、オベイションを持っているユーザーさんが日本のどこの楽器屋さんに修理を出しても(おそらく)全て**貿易さんのところに行き、そこで修理される事でしょう(もちろんリペア店等は話が別 ですが)。そうなるとメーカー(代理店)としては補修パーツとしてフレットなどの各部品をストックしておかないといけないですよね。貴重なパーツをそう易々と出してくれるわけもなく、場合によってはワンセット7~8千円以上もしたりします。
誤解しないでくださいね。たまたま**貿易さんをあげましたが、どこも同じ仕組みだと思います。ちなみに**貿易さんはホンットいいところですよー(業界の人しか分からん話ですな)。良心的でお店のワガママなどもよく聞いてくれるし・・・いや~ギター買うなら「オベイション!!」買うお店はもちろん「すみや上永谷店」で、う~んこれ常識(笑)。

 


 

さ~て、ただでさえ長くなりそうなページなのでそろそろいきます。

まずはフレットの長さをカットします。次はアール合わせです。私はペンチを2個使い曲げていますが、専用の道具も売られています。指板と同じアールに合わせたら、左下写 真の専用ニッパーを使いフレットの足を右のようにカットします。

この道具、コツをつかまないとフレットの足だけでなくフレット本体の底辺部まで切り取ってしまう事があります(左下図)。(たんに私のが長年使ってヘタッているだけなのか・・・??)さらに切った後は右下図(フレットを逆さに見た図)のように足が曲がっているので、ペンチで真っ直ぐにしておきます。

さらにさらに、切った部分は形状がすこし「はねて」いるのでもとに戻します。

とまあ以上の事は指板にバインディングが施されている楽器(またはバインディングがなくても横の溝をエポキシ樹脂等で埋めてある物)のフレットを打ち込む時に行います。

1本につきここまでやっておきます。けっこう時間がかかります・・・長さカット&アール合わせだけで済むストラトは比較的ラクですね・・・


1本ずつ打ち込んでいってもいいのですが、同じような作業は連続してやったほうが効率もいいので全てのフレットを作ってしまいます。ちなみにハイ側からやったほうがいいと思います。それは誤って失敗してしまった(例えば短く切りすぎたとか・・・)場合でもロー側のほうが短いので失敗品をローフレットで利用できるからです。

 


 

でました!この巨大な怪物。なんの為の道具かといいますと、アコの場合はボディとのジョイント部以降のフレット(指板)は単にボディに乗っかっているだけですので、下に何も支えがないわけです。何もしないで他の所と同じようにフレットを打つと最悪トップ板に割れが入ったり、塗装にヒビができたりしかねません。そこで、このでっかい怪物くんで下を支えてやります。

あれ?もう打ってある・・・写真撮ってないですね・・・。真鍮製の小さな「逆アール」がついた物があるのですが(ステュマックで入手可)それを使いハンマーで打つため(それだけだと小さすぎて打てない)セットするための木のブロックを自作して使ってます(下右図)。


打ち込んだ後は先のすご~く薄いパレットナイフなどで隙間がないかをチェックします。

無事に12フレット付近まで打ちこめたら写真のような道具に替えます。これは「打つ」ではなくフレットを「圧入」します。本来なら全ての箇所のフレットを「圧入」したい所ですが、この道具で「握れない部分」は仕方ありません。(ハイ側のフレットをサウンドホールからクランプなどを使い圧入することもあります)

全てフレットを打ち(圧入)し終わったらくいきりで余った部分を両側ともカットしていきます。次にヤスリを使い指板の端と面 一に削っていきます。この作業用にも専用の道具がありますが、私は使った事がありません。簡単に自作もできますがなぜか今の今まで写 真のようにやってきました・・・・あればあったで作業効率が良くなるんだろうな~。治具を使わないやり方で注意すべき点はフレット端の「斜め具合」(角度)を全て均一にする事と、「ゴンッ!」と、誤ってボディにキズをつくらないように(笑)するくらいです。


私の場合はペーパーで#320→#600→#1000までかけて終わります。


これで完了です。この後の「すり合わせ」「テレキャスフレットすり合わせ」を参照してください。

すり合わせの時も書きましたが、作業工程は様々なやり方があります。前ページでビデオとほぼ同じと書きましたが、細かい所は違っていたりもします(たぶん・・・もう一度久々に観てみよう)。ビデオ等を鵜呑みにせず(この記事も・・・(笑))大切なのは自分にとっての「ベスト手順&方法」を構築する事だと思います。しかし最初の頃とくらべ、随分と文章&言葉をくだらないジョークをまじえて書くようになりました(笑)。皆さんはどうだろうか?「えー、以上の事からして、このような箇所はこう処理するべきである。」よりは、笑いを含めて書いたほうが親しみやすいと思うのだが。???

では、また、ごきげん・・・・・ウッ、このネタはこの前使ったな・・・・・
リペアってほんっとうにおもしろいですね~ 」(このネタ分かります~?ではまた。)

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